光束・光度・輝度・照度について、具体的に数字を使って説明しようと思う。数字は使うが“数式”は極力使わないようにする。
光度・輝度・照度は全て光束の密度である
光束・光度・輝度・照度について、ざっくりとご説明する。
光の強さを考えるには、光が放たれるところ(光源)、光を受けるところ(照射面)、最終的に明るさを感じるところ(眼)という3要素を考えなければならない。この3要素が複雑に絡み合うために、光の単位はややこしくなる。ざっくり言ってしまえば、
- 光度:光源から放たれる光の強さ
- 照度:照射面に当たる光の強さ
- 輝度:眼の感じる光の強さ
である。
そしてこれらは、結局は全て光束の密度であるということ。光度も照度も輝度も、ある範囲(面の広さだったり角度の大きさだったりする)に光束がどれだけあるか、を示す。これが理解の第一歩である。
- 光束:光(可視光)のパワーそのもの
- 光度:単位立体角あたりの光束
- 照度:単位面積あたりの光束
- 輝度:単位面積・単位立体角あたりの光束
である。

光束

光束は、光のパワーそのもので、単位は$\mathrm{lm}$(ルーメン)ある。
照明器具からの光は、四方八方に発せられるのが普通だ。上の図のように、ある点光源(大きさを無視できるサイズの光源)から放たれる矢印をイメージする。矢印の本数が光束だと考えればわかりやすい。
本稿ではこれ以降、矢印$1$本が$1\,\mathrm{lm}$を表すことにする。
矢印は全部で$276$本なので、この光源からは全部で$276\,\mathrm{lm}$の光を放っていることになる。これを、「全光束$276\,\mathrm{lm}$の光源(器具)」と言ったりする。全光束とは、ある光源から放たれる全ての光束のことである。
光束は測光量の根本単位である。この後にお話しする光度・照度・輝度も、結局はこの矢印の本数なのだ。
光度

光度は、光源から照射される全光束から、ある方向に照射される光束だけを抜きとる、という概念である。
上の図のように、立体角$0.1\,\mathrm{sr}$の円錐を仮定してみる(立体角がわからない方はこちら)。円錐の頂点を光源位置に置くと、円錐の中には光束を示す矢印が$2$本含まれた。つまり光束$2\,\mathrm{lm}$だ。こういう状況で、光度はどう計算されるのか。
光度とは、ある方向の単位立体角あたりの光束である。光束の密度なのだ。少し詳しく言うと、ある方向を軸としたある大きさ(極力小さく)の立体角の中に含まれる光束の詰まり具合を、その立体角が仮に$1\,\mathrm{sr}$だったなら何$\mathrm{lm}$か?という指標で示すということだ。
いま、立体角$0.1\,\mathrm{sr}$の円錐の中に$2\,\mathrm{lm}$の光束が含まれているから、立体角$1\,\mathrm{sr}$に含まれる光束は、
$光度=2\,\mathrm{lm}/0.1\,\mathrm{sr}=20\,\mathrm{lm/sr}=20\,\mathrm{cd}$
となる。$\mathrm{lm/sr}$という単位はあまり使われず、$\mathrm{cd}$(カンデラ)を記号として表現されるのが一般的だ。
よく勘違いされやすいが、同じ方向に、$1\,\mathrm{sr}$の円錐を置いたとき、実際に$20\,\mathrm{lm}$含まれるかどうかはこの時点では不明である。そうではなくて、この図の場合はあくまで立体角$0.1\,\mathrm{sr}$という範囲の光束密度を、$1\,\mathrm{sr}$だった場合の光束値に換算して示しているのである。
光束が測光量の基本単位と言ったが、実は歴史としては光度が最も古い。
国際単位系のひとつである。
ちなみに理解のし易さは、照度→光度→輝度の順番になるかと思う。とくに、次の照度は光度より簡単な概念と言える。
照度

照度は、読んで字のごとく「照らされ度合い」である。光源がある面を照らしているということは、その面には何$\,\mathrm{lm}$かの光束が入射しているということだ。
上の図は、面積$0.25\,\mathrm{m^2}$の平面に$4\,\mathrm{lm}$の光束が入射している様子を表している。
照度は、ある小さな面を垂直に貫くの単位面積あたりの光束で、密度を表しているという点は光度と同様である。垂直というのが結構重要で、これは別稿で解説する。貫くというイメージも大切で、ガラスやアクリルでない限り実際に”貫く”ことはないのだが、照度はどう使うのが正しいのか?という問題に大きく関わる。これも別稿で解説する。
いま、面積$0.25\,\mathrm{m^2}$の面を光束$4\,\mathrm{lm}$が垂直に貫いているので、照度は、
$照度=4\,\mathrm{lm}/0.25\,\mathrm{m^2}=16\,\mathrm{lm/m^2}=16\,\mathrm{lx}$
となる。$\mathrm{lm/m^2}$という単位もあまり使われず、$\mathrm{lx}$(ルクス)を記号で表現される。
照度は光度よりは簡単な考え方であると思う。
光度さえ分かっていれば照度は手計算で求めることもできる(こちら)。イメージもしやすいため測光量の中で最も浸透している数量であり、実務で使われることも多い。なにかと使い勝手のよい単位だ。
輝度
輝度は、読んで字のごとく「輝き度合い」である。
光度・照度・輝度のうち、最も理解がしづらい量であろう。
理解はしづらいし、シミュレーションによる計算負荷も大きいが、実は最も人の眼の感じ方に近い数量で、近年では徐々に照明計画でも使われ始めている。
Coming soon・・・
結局は全て光束
測光量においてはまず、光束が根本単位として存在する(歴史的には光度が最初)。光束から、光度・照度・輝度へと派生していく。もっと言うと、光度・照度・輝度も、量としては光束であり、どこからどこまでの範囲にある光束を示すか(※)というだけである。
※これを規格化といいます。
それぞれの単位を見ていただければわかるかと思うが、
- 光度:単位立体角あたりの光束
- 照度:単位面積あたりの光束
- 輝度:単位面積・単位立体角当たりの光束
という具合である。
詳細は別稿で述べることにして、まずは結局は全て光束であるという考え方をして頂ければ、幾分かこのややこしい測光量を理解しやすくなるはずだ。
同じく光の強さを表しているのになぜ4つも単位があるのかという話ですが、
それについては別稿 なぜこんなにも光の単位はややこしいのか を参考にして下さい。
coming soon・・・



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